ラミー(苧麻)|食える(edible)着られる(wearable)繊維植物

古くから利用されてきた麻の一つ

苧麻はヘンプ(大麻)と並んで古くからアジア圏で利用されてきた麻で、繊維作物の一つです。チョマ・カラムシといった呼ばれます。

繊維はいわゆる麻と呼ばれる植物全般と類似していますが、大麻や亜麻と比べると強めのツヤと透明感が特徴で、その美しさから「上布(じょうふ)」と呼ばれる麻の高級品として古くから重宝されてきました。

主な上布の産地は「越後上布(苧麻のみ)」「宮古上布(苧麻のみ)」「高宮上布(苧麻と大麻)」などが有名ですね。自然布研究は吉田真一郎氏の書籍を読むと面白いです。

 

ちなみに、現在の繊維製品の品質表示で「麻」と表記できるのは、リネン(亜麻)と今回ご紹介するラミー(苧麻)です。(最も歴史ある大麻が「麻と」表示できない謎の制度です。

なお、リネン(亜麻)・ヘンプ(大麻)は一年草ですが、苧麻は多年草の植物です。麻はあくまで概念で、植物としてはそれぞれ全くの別種であることは覚えておいても良いかもですね。

実は食用可能な苧麻

リネン(亜麻)やヘンプ(大麻)は種子を食品・油脂を搾り取ることで食用できますが、苧麻種子は食用にはされてこなかったようです。種子の販売しているという情報すらもインターネットでは見つかりません。
なお、苗での販売はされているようですが、多年草で地下茎で伸びていき野生化・雑草化が容易に発生するようなので栽培には気をつけないとマズイようです。

ベトナムでは、苧麻の葉っぱを使ったもち米ベースの饅頭みたいなものが存在するようです。
「Bánh Gai」という名前です。外側が苧麻の葉の粉を利用したものだそうです。

 

日本ではミヤマイラクサという種の若葉に限っては山菜として食用に利用されているようです。
また、越後上布の産地である新潟県の企業では、カラムシを食品を開発しているようです。

有限会社ネオ昭和 http://www.karamushi.jp/products/index.html

製品ラインナップは葉っぱを練り込んだ「カラムシ麺」と葉っぱの粉末「カラムシ茶」ということだそうです。

苧麻の葉には、ほうれん草と比べ、βカロテンが4倍、カルシウムが57倍、ビタミンB1が5倍ほど含まれているとのことです。

「食」と「織」のということで、伝統素材を余すことなく活用しようという面白い試みです。

アマゾンでの販売も行っているようです。

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