現在、オリジナルブランドを作る敷居はどんどん低くなっていることはご存知でしょうか。個人でも割と簡単にオリジナルブランドを作ることができる時代になってきました。
何を持って「オリジナル」とするかは重要なポイントです。
どこからオリジナルにするかで、その難易度は大きく違いますので、例えばTシャツを考えて簡単に区分けしてみましょう。
オリジナルブランドの難易度(Tシャツのケース)
◯ロゴやプリントデザインのみがオリジナル
これは下手するとノベルティーと思われてしまうかもしれませんが、最も簡単なオリジナルブランドの一歩目です。実際、インディーブランドなんかでは、出来合いのTシャツボティーにプリント・刺繍してくれるサービスや、シルクスクリーンキットを利用し、オリジナルのロゴやプリントデザインを施してオリジナルブランドとしているところも多々あります。最も簡単かつローコスト・小ロットで始めることができる方法でもあります。
規制のブランドからOEMと言う形でプリントやカラーのみを変更して製造してもらう、という方法もあります。
INDIES T-SHIRTS BRAND GUIDE BOOK -インディーズTシャツブランドのつくり方完全ガイドなんていう本は、インディーでオリジナルのグラフィティをプリントしブランド作成をする方法が紹介されており一見の価値があるかもしれません。
◯オリジナルのデザインで縫製
生地は流通している出来合いの生地を購入、または縫製工場が手配してくれる生地を利用し、寸法パターンやデザインをオリジナルで作る方法です。
ラグランスリーブなのか、丸胴なのか、着丈袖丈の詳細や胸ポケットをつけるつけない、襟ぐりの形やリブの編み地はどうするかなど、こだわればいくらでもこだわることができます。グレーディングの基準やサイズ数も考えなければいけませんし、パターンナーさんのお仕事が必須となります。どのような市場を狙うのかで製品像も変わってくると思います。
通常、いわゆる「オリジナルブランド」と認識されるのはこのあたりからでしょうか。
現在では、特に国内の生地卸や縫製工場などでは(市場の縮小により)小ロット対応が進んでおり、個人でも取引を行ってくれる会社は多いです。また、工場さんと企画側をつなげるウェブプラットフォームも整備されてきており、縫製工場さんとのコンタクトも簡単になってきました。また、これらのプラットフォームではパターンナーさんを見つけることもできるので、アパレルの知識がない場合でもオリジナルボディのパターンを作るってもらうことも可能です。(縫製工場さんでも大抵はパターンナーさんが在籍されていますが。)
ちなみに、シタテル【https://sitateru.com/】、SDファクトリー【http://factory.superdelivery.com/】、ヌッテ【https://nutte.jp/】、started 【https://started.jp/】 などのプラットフォームが有名ドコロかと思われます。
◯オリジナルの生地を作る(オリジナル紡績糸で)
出来合いの生地を購入し後染め・生地反ごとプリントするパターン、糸商社から糸を仕入れ加工し、ニッター(メリヤス工場さん)に生地を作って貰う方法です。更にいうと、オリジナルの糸を紡績会社さんに特注品で頼むというケースもあります。
このあたりに来ると、こだわりのあるブランドの域になってきます。中小規模以上のアパレルブランドは糸から作っていることも多々あります。
出来合いの生地にオリジナルプリントや後染めを行うことはそこまでハードルは高くないです。個人規模のブランドでも可能です。また、糸商社さんでの糸購入は個人でも取り合ってくれるところは多いです。
ニッターさんは、ニットといえどある程度のロット感が必要になってきますので、個人がいきなりというのは簡単ではありませんが、工場さんからの紹介や、展示会での出会いなど、きっかけがあれば不可ではないです。
オリジナル糸の紡績は素材から染色、撚糸度合い(風合い)までコントロールできるので、究極のコダワリをもった商品づくりが可能です。ただし、糸の紡績はどんなに少ないロットでも梱単位での発注になりますので立ち上げはじめの個人にはきついかもしれません。
あなたのオリジナルブランドは?
こんな感じで、Tシャツを例にオリジナルブランドでどこからオリジナルにするのか、またその難易度などを考えてみました。どこからオリジナルにするのかというのは、ブランドの規模を大きくしながら変えていくというのも一つの手です。とにかく、やってみることから初めて見るとよいのでは。